松尾鉱山跡
八幡平の中腹、標高約900メートルに残る鉱山都市の廃墟。かつて硫黄の産出で栄え、「雲上の楽園」と呼ばれた近代的な集合住宅群には最盛期1万人以上が暮らした。閉山とともに町は放棄され、緑ヶ丘アパートと呼ばれる巨大な集合住宅の残骸が、霧の中に廃墟群として立ち並ぶ光景は東北屈指の規模である。 語られる噂は、アパート跡の窓に人影が見えた、誰もいない廃墟から生活音のような物音がした、霧の中で人とすれ違ったが振り返ると誰もいなかった、といったもの。標高が高く霧の発生が多い土地柄が、噂の舞台装置になっている。建物は老朽化が激しく崩落の危険があるため立ち入りは禁じられており、現在も鉱山からの排水を中和する処理施設が稼働し続けている。「楽園」と呼ばれた町の栄枯盛衰を、離れた場所から眺めるだけでも十分に伝わる場所である。
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