エピソード
二戸市金田一温泉にある旅館。「座敷わらしの宿」として全国に知られ、奥座敷「槐の間」に現れるという座敷わらしに会うため、予約が何年も先まで埋まると言われてきた。座敷わらしを見た者には幸運が訪れるとされ、政財界の著名人が宿泊したという逸話も数多く語られている。
語られる体験は、夜中に子どもの足音や笑い声を聞いた、誰もいないのに布団の上を歩かれた感触があった、オーブのような光が写真に写った、といったもので、恐怖よりも「会えたら幸運」という温かい語られ方をするのがこの宿の特徴である。火災で母屋を焼失した際も座敷わらしを祀る祠は無事で、再建後も伝承は受け継がれている。心霊スポットの対極にある「幸せを呼ぶ怪異」の代表格であり、訪れるなら宿泊客として、この土地の伝承への敬意とともに一夜を過ごしたい。