エピソード
利根川支流の片品川に建設されたダム。昭和40年代の完成にあたり、湖底には薗原の集落が沈んだ。住み慣れた家と土地を離れた人々の記憶がダム湖の下に眠っており、渇水期には湖底に沈んだ橋や道の跡が水面に姿を現すことがある。群馬県内の心霊スポットとして古くから名前の挙がる湖である。
語られる噂は、湖面に人影が見えた、ダムサイトで視線を感じた、湖沿いの旧道やトンネルで異変があった、といったもの。ダム湖の噂は全国どこでも「沈んだ集落」の記憶と結びついて語られるが、薗原もその典型であり、湖沿いの薄暗い旧道が噂の舞台になることが多い。
現地は老神温泉や吹割の滝にほど近く、紅葉の時期の湖は美しい。ダム見学も可能である。湖底に人々の暮らしがあったことを知って眺めれば、静かな湖面の見え方も変わるはずだ。