エピソード
相模川をせき止めた相模ダムによって生まれた、日本初の本格的な多目的人造湖。戦時中から戦後にかけての建設工事は困難を極め、殉職者を出した。労働力として動員された人々の中には海を越えて来た労働者も多く含まれ、湖畔には犠牲者を悼む湖銘碑が建てられて、今も慰霊祭が続けられている。湖底には勝瀬の集落が沈んでいる。
語られる噂は、夜の湖面に人影が見えた、湖畔で声を聞いた、ボート乗り場で気配を感じた、といったもの。人造湖の噂の常として、建設の犠牲と沈んだ集落の記憶が背景に語られる。
昼間の相模湖はボートとワカサギ釣り、湖畔のレジャー施設でにぎわう行楽地であり、都心から最も近い湖の一つである。楽しんだ帰りに湖銘碑へ目を向ければ、この湖が誰の犠牲の上にあるのかを知ることができる。