エピソード
相模原市緑区の山あいにある人造湖。発電のために造られたダム湖で、周囲を山に囲まれた湖面は昼間なら静かなハイキングエリアの中心である。ただしこの湖の特徴は、夜間はゲートが閉まり、一般車両が湖畔に近づけなくなること。「夜は人が入れないはずの湖」であることが、かえって夜の噂を育ててきた。
語られるのは、閉鎖時間間際の湖畔で白い影を見た、誰もいない駐車場で人影が横切った、湖に続く峠道で女性が立っていた、といった話である。湖へ至る山道は夜間、街灯のない暗い峠道になり、この道自体が心霊の噂の舞台として語られることも多い。山あいの湖は霧が発生しやすく、湖面の靄が人影に見えることは実際にある。
現地は昼間、ハイキングや野鳥観察の人々が訪れる健全なレクリエーションエリアで、湖を一周する遊歩道も整備されている。夜間閉鎖はダム施設の管理上のもので、閉鎖時間後の立ち入りは不法侵入になる。訪れるなら開放時間内に、山上の湖の景色を楽しむのが正しい付き合い方である。