エピソード
外房の海岸線、高さ数十メートルの断崖が数キロにわたって続く難所。「おせんころがし」の名は、この地に伝わる娘の伝説に由来する。強欲な領主だった父を諫めるため、身代わりとなって崖から身を投げた孝行娘・お仙の物語が語り継がれ、崖の上には供養塔が立つ。旧道はかつて「命がけの道」と言われた交通の難所でもあった。
語られる噂は、断崖の上に人影が立っていた、波の音に混じって声が聞こえた、供養塔の周辺で気配を感じた、といったもの。荒波が崖を打つ音と海霧が、この場所の伝説に真実味を与えてきた。実際に転落の危険がある断崖であり、噂と現実の危険が重なる場所でもある。
現在は トンネルで安全に通過でき、供養塔へは旧道から歩いて行ける。太平洋を見渡す断崖の景観は外房屈指で、孝女の伝説とともに、昼間に訪れたい場所である。崖際に近づきすぎないこと。