エピソード
鳥取と岡山の県境にまたがる峠。名の由来として、旅人を襲う妖怪をわら人形で退治したという伝説が語り継がれ、古くから「人ならぬものの出る峠」として恐れられてきた。戦後はウラン鉱床の発見で一躍知られることになり、鉱山の閉山後は関連施設が残る、日本でも他に類のない来歴を持つ峠である。
語られる噂は、霧の峠道で人影を見た、誰もいないのに視線を感じた、夜の旧道で車に異変があった、といったもの。妖怪伝説の峠と鉱山の峠、二つの物語が重なる土地柄が、噂に独特の陰影を与えている。
現在は快適な国道が通り、峠にはアトムサイエンス館などの施設もある。伝説の妖怪と原子の科学が同居する峠として、昼間のドライブで通れば話の種に事欠かない場所である。