エピソード
富士山麓の溶岩洞窟。鎌倉時代の『吾妻鏡』にも登場する古い洞窟で、富士講の開祖・長谷川角行がこの穴で千日の修行を行い入定したと伝えられる、富士信仰の聖地中の聖地である。周辺には信者が建てた200基を超える碑塔が並び、世界文化遺産・富士山の構成資産にも登録されている。
一方でこの場所は「鳥居を車でくぐると事故に遭う」「洞窟に入ると帰れなくなる」といった噂で全国に知られる心霊スポットでもある。碑塔群で人影を見た、洞窟の奥から読経が聞こえた、という話も語られるが、ここは本来、修行者が命がけで祈った聖地であり、噂の多くは聖地を汚すことへの戒めと表裏一体である。
洞窟内部への立ち入りは現在制限されており、見学はガイド付きなど条件がある。訪れるなら日中に、富士信仰の歴史を学ぶ場所として。鳥居の前では、車を降りて一礼するくらいの敬意がちょうどよい。