エピソード
伊予市の山手にある大きなため池。干ばつに苦しんだ地域を潤すため昭和期に築かれた農業用の池で、難工事の末に完成したと伝えられる。ため池の多い瀬戸内らしく、この池にも水にまつわる言い伝えや、工事の苦難の記憶が語り継がれており、愛媛県内の心霊スポットとして名前が挙がることが多い。
語られる噂は、夜の水面に人影が見えた、堰堤で視線を感じた、池のほとりで声を聞いた、といった水辺の定番形。ため池は用水として管理された水域であり、夜間に近づくこと自体が転落の危険を伴う。
昼間の池は森林公園に隣接する静かな水辺で、桜の名所としても親しまれている。水不足と闘ってきた土地の歴史を思えば、この池は恐れる場所ではなく、感謝される場所であるべきだろう。