エピソード
泉州の山中、犬鳴川の渓谷に開けた修験道の霊場。飛鳥時代開山と伝わる七宝瀧寺を中心に、今も白装束の行者が滝に打たれる現役の修行の山である。山名は、猟師を大蛇から守るために吠え続け、斬られてなお主人を救った犬の伝説に由来し、義犬の墓が今も渓谷に祀られている。
福岡の犬鳴峠と名前が似ているため混同されがちだが、大阪の犬鳴山は恐怖の山ではなく祈りの山である。とはいえ、夜の渓谷で人影を見た、行場の近くで読経が聞こえた、滝の音に声が混じった、といった話は語られており、千年を超える修行の場の空気は昼間でも濃密である。
ハイキングコースとして人気があり、滝行の体験も受け付けている。渓谷の遊歩道は日中に歩けば快適そのもので、義犬の物語とともに、大阪とは思えない深山の霊気を味わえる。