エピソード
十津川に架かる長さ約300メートル、高さ約54メートルの吊り橋。生活用の吊り橋として日本有数の規模を誇り、板張りの床がたわみ揺れる渡り心地はスリル満点で、十津川観光の象徴である。もとは村人が生活のために架けた橋であり、今も地元の人は自転車で渡る。
心霊の噂として、夜の橋の中央に人影が立っていた、谷底から声が聞こえた、渡っている途中で誰もいないのに橋が大きく揺れた、といった話が語られる。深い谷を渡る風が橋を揺らし、うなりを上げることは実際にあり、夜の吊り橋の恐怖は霊がいなくても十分本物である。十津川郷は大水害で村ごと北海道へ移住した歴史を持つ土地でもあり、山と谷の厳しさが暮らしと隣り合ってきた。
観光は日中に。渡れば谷の絶景が広がり、揺れに足がすくむ体験そのものがこの橋の醍醐味である。