エピソード
丹波の鐘ヶ坂峠に残る明治期の煉瓦造隧道。この峠には明治・昭和・平成と三世代のトンネルが並んで掘られており、日本の道路史を一望できる場所として土木遺産に認定されている。最古の明治隧道は、地元の人々の寄付で掘られた日本有数の古い道路トンネルであり、赤煉瓦のポータルが峠の緑に埋もれて残る。
心霊の噂が語られるのは主に閉鎖された明治・昭和の旧隧道で、坑口の奥に人影が見えた、フェンス越しに声が聞こえた、峠道で視線を感じた、といった話が丹波の怪談として語られてきた。峠には鐘にまつわる悲しい伝説も残り、地名の由来として語られている。
旧隧道は閉鎖されており内部へは入れないが、明治のポータルは外から見学できる。三代のトンネルを見比べながら歩く峠は、土木好きにも怪談好きにも面白い場所である。