エピソード
仙台市、青葉山と八木山の間の深い渓谷に架かる橋。市街地からほど近い場所にありながら、橋の下は竜ノ口渓谷と呼ばれる深さ数十メートルの峡谷で、覗き込めば足がすくむ高度感がある。仙台で心霊スポットの名を最も多く挙げられる場所であり、橋の高さゆえに悲しい出来事が語られてきた歴史が、その背景にある。現在は高いフェンスが設置されている。
語られる噂は、夜に橋の上に立つ人影を見たが近づくと消えた、橋を渡っていると下から声が聞こえた、車で通ると窓に手形がついていた、といったもの。渓谷を吹き抜ける風の音が声のように聞こえることは実際にあり、深い谷の暗がりが想像力を刺激する場所でもある。橋自体は動物公園へ向かう生活道路で、昼間は多くの車が行き交う。渓谷の景観は見事だが、夜間にわざわざ訪れて騒ぐ場所ではない。この橋の背景を思えば、静かに通行するのが礼儀である。