エピソード
五所川原市金木町、芦野湖のほとりにある地蔵霊場。堂内には千体を超える地蔵が並び、亡くなった子どもや若者の供養のために納められた人形や花嫁人形が奉納されていることで知られる。亡き人が果たせなかった結婚を人形で叶える「冥婚」の風習を今に伝える、津軽の死生観が凝縮された場所である。
例大祭にはイタコの口寄せが行われ、死者との再会を求める人々が訪れてきた。無数の人形がこちらを向いて並ぶ堂内の光景は初めて訪れる者を圧倒し、人形の位置が変わっていた、視線を感じた、夜に堂の方から声が聞こえた、といった話が語られる。ただしここは心霊スポットではなく、遺族の深い祈りの場である。参拝は日中に、奉納された人形の一つひとつに遺族の想いが込められていることを理解したうえで、静かに手を合わせたい。