エピソード
五色台の山中に立つ四国霊場八十二番札所。この寺を有名にしているのが「牛鬼」の伝説である。その昔、この山に人を喰らう恐ろしい怪物・牛鬼が棲み、弓の名手に退治された。射抜かれた牛鬼の角は寺に納められたと伝えられ、境内には異形の牛鬼の像が立ち、寺には牛鬼の絵が伝わる。西日本に広く分布する牛鬼伝承の中でも、実物の「角」を伝えると語られる代表的な寺である。
語られる話は、山門の周辺で気配を感じた、夕暮れの参道で何かとすれ違った、森の中から視線を感じた、といったもの。深い樹林に包まれた境内は昼でも薄暗く、伝説の舞台にふさわしい静けさがある。
紅葉の名所としても知られ、五色台ドライブと合わせて参拝できる。魔物の伝説を千年抱えて立つ山寺の空気を、日中に味わいたい。