エピソード
鍋島36万石の居城跡。この城の名を全国に知らしめたのが「鍋島の化け猫騒動」である。主君に斬られた家臣の飼い猫が、主の無念を晴らすため化け猫となって城内に現れ、奥方に化けて藩主を苦しめた――という怪談は、江戸の芝居や講談で大当たりし、日本三大化け猫騒動の筆頭として今に伝わる。実際の御家騒動が下敷きになったと言われ、猫を供養する寺が佐賀に現存する。
語られる噂は、夜の堀端で大きな猫を見た、天守台で視線を感じた、櫓門の周辺で気配がした、といったもの。化け猫の城という物語が、四百年後の噂にまで生きている。
現在は本丸御殿が復元されて歴史館となり、幕末の佐賀藩の先進性を伝える展示が充実している。昼は幕末維新、夜は化け猫。二つの顔を持つ城跡である。