エピソード
吉備高原の山上に築かれた謎の古代山城。7世紀頃の築城と考えられるが正史に記録がなく、「誰が何のために」が今も定まらない考古学の謎である。そしてこの城は、桃太郎のモデルとされる吉備津彦命に討たれた鬼・温羅(うら)の居城と伝えられてきた。つまりここは「桃太郎の鬼ヶ島」の伝承地なのである。
温羅の首は討たれた後もうなり続け、吉備津神社の釜の下に埋められてなお十三年鳴動した――と伝わり、その釜の音で吉凶を占う鳴釜神事は今も続いている。城跡では、山上で声を聞いた、復元された城門の周辺で人影を見た、といった話が語られる。
現在は西門などが復元され、遊歩道から吉備平野の大展望が楽しめる。桃太郎伝説の裏側にある「討たれた鬼」の物語を知ってから登ると、この山城の見え方は一変する。