エピソード
広島湾に浮かぶ、市内最大の島。明治以来、陸軍の検疫所が置かれ、日清・日露戦争では大陸からの帰還兵がこの島で検疫を受けた。そして昭和20年8月、原爆投下直後の広島から、おびただしい数の被爆者がこの島へ運ばれた。検疫所は臨時の野戦病院となり、多くの人がこの島で亡くなった。戦後も長く遺骨の発掘が続けられ、島には慰霊碑が建立されている。
語られる噂は、浜辺で灯を見た、夜に声を聞いた、といったものだが、この島について軽々しく怪談を語ることは慎みたい。ここは広島の悲劇の最終地点の一つであり、今も慰霊が続く祈りの島である。
現在は臨海少年自然の家などがあり、平和学習の場として多くの子どもたちが訪れる。フェリーで気軽に渡れる島だからこそ、歴史を知ってから上陸したい。