名無しさん80点
登山道から逸れてしまい、崖を降りる感じで進んでしまった。眼下には、谷が見え、そこまで降りれば、一気に降りられるなんて、考えてしまった。腰を下ろし、滑り台を滑るように崖を下りかけた途中、我に返った。上を見たら、まだ何とか攀じ登れる。このまま降ったら、降りるしかない。降りたところで本当に道があるのか?
その時、崖の上から子供の笑い声が。無邪気に笑う声ではない。クスクス、指を指しながら笑ってる感じ。でもどこにも人は居ないし、居るはずがない。崖の途中なんだから。
これはヤバい。上り始めた1歩目に何と干からびた蜥蜴の赤ちゃんの死骸。何故?さっき腰を下ろしながら、滑り降りてきたから、有れば気が付いたらはずなのに。それよりも、登らなければ。
ずっと聞こえる子供の笑い声。真夏で喉もカラカラ。もう持ってきた水も空っぽ。息が上がる。怖い。恐怖で背筋に寒気が走る。こんな暑いのに、背中が寒い。ただただ無意識に登り続けた。下を見た。あんなに下まで降りてたなんて。我にかえり、引き返して正解だった。もう子供のクスクスという笑い声は聞こえない。きっとあれは、幻聴だったんだと思うことにしたが、生きて帰れて良かった。